「ネトレプコが来日する。しかもリサイタルは11年ぶり」。これは世紀の大事件です! いまや世界ナンバー・ワン、名実ともに“プリマドンナ”に成長したネトレプコ。2014年夏のザルツブルク音楽祭で「イル・トロヴァトーレ」のアリア「恋は薔薇色の翼に乗って」を絶唱したときは、そのビロードのように豊かで艶やかな声と深く巧みな表現力に完全にノックアウトされた。喝采は鳴り止まず、聴衆は「まさにディーヴァ!」と噂した。

 オフステージでは陽気でくったくのないネトレプコだが、ひとたび舞台に上がると豹変する。最近ではパワフルで怖ろしげなマクベス夫人に変貌して舞台で睨みをきかせている。思えばゲルギエフの指揮で「戦争と平和」の可憐なナターシャを歌っていた彼女が、当代一のヴェルディ・ソプラノとしてレオノーラやマクベス夫人を歌うようになると、誰が想像しただろう。じつは彼女は天賦の才能の持ち主でもあるけれど、努力の人でもある。名声に溺れることなく、いまも教師について鍛錬を怠らない。時をかけて声の熟成を待ち、ベルカントのレパートリーからプッチーニやヴェルディへと、一歩一歩キャリアを進めてきた。ジュリエットからヴィオレッタやミミを経て、いまはヴェリズモからワーグナー(!?)へと突き進んでいる。今回は夫君のユシフ・エイヴァゾフと手に手を取っての来日。いままさに芳醇な銘醸ワインのように、香気を放ちつつ人々を魅了し続けているネトレプコ。彼女が歌う妖艶なマノン・レスコーや凄みあるマクベス夫人は、絶対に聴き逃せません!

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 アンナ・ネトレプコは、クラシック歌手としては今日もっとも世界に知られ、絶賛される存在である。そしてそうなる過程でオペラ・スターという言葉の意味を書き換えたと言えるだろう。文字どおり世界中で常に主役を務め、「21世紀初期に君臨するディーヴァ」(AP通信)と称賛されてきた。2007年には、クラシックの音楽家として初めて「タイム」誌が選ぶ「世界で最も影響力のある100人(タイム100)」に選ばれた。とろけるように美しい独特の声、優雅で魅惑的な舞台姿に、批評家たちは「歌うオードリー・ヘップバーン」あるいは「とにかくすべてを兼ね備えた歌手――驚くほど純度の高い声、正確な歌唱、知的アプローチ、豊かな声量と多彩な声色、想像力、内面性、そして機知――そのすべてが眩いカリスマ性と相まって、演じるネトレプコからは目を離すことができない」(サンフランシスコ・クロニクル紙)などと評してきた。

 2002年にザルツブルク音楽祭でモーツァルト《ドン・ジョヴァンニ》ドンナ・アンナを歌って大成功を収めて以来、メトロポリタン歌劇場、サンフランシスコ歌劇場、シカゴ・リリック・オペラ、コヴェントガーデン王立歌劇場、ミラノ・スカラ座、ウィーン国立歌劇場、パリ・オペラ座、チューリヒ歌劇場、ベルリン州立歌劇場、バイエルン州立歌劇場など、世界の主要な歌劇場のほぼすべてに登場している。モーツァルト《フィガロの結婚》のスザンナでデビューしたマリインスキー劇場にはしばしば出演、長年の助言者でもある指揮者ヴァレリー・ゲルギエフの指揮で歌っている。定評のある役には、スザンナのほか、プッチーニ《ボエーム》のミミ、《マノン・レスコー》、ヴェルディ《椿姫》のヴィオレッタ、《マクベス》のマクベス夫人、《ジャンヌ・ダルク》、ベッリーニ《カプレーティ家とモンテッキ家》のジュリエッタ、《清教徒》のエルヴィーラ、《夢遊病の女》のアミーナ、モーツァルト《ドン・ジョヴァンニ》のドンナ・アンナ、ドニゼッティ《ドン・パスクワーレ》のノリーナ、《愛の妙薬》のアディーナ、《ランメルモールのルチア》、《アンナ・ボレーナ》、マスネ《マノン》、グノー《ロミオとジュリエット》、チャイコフスキー《エフゲニー・オネーギン》のタチヤーナ、《イオランタ》などがある。

 世界各地でコンサートにも出演しており、カーネギーホールをはじめとする著名なコンサートホールはもちろん、1万人もの聴衆を前に歌うアリーナでも歌っている。屋外のコンサートでは、プラシド・ドミンゴ、ディミトリー・ホロストフスキーらと、ベルリンのヴァルトビューネからモスクワの赤の広場まで、さまざまな会場で歌ってきた。ザルツブルク音楽祭やBBCプロムスのラストナイトには常連である。また、ダニエル・バレンボイムをはじめ世界有数の音楽家とリサイタルで共演している。

 近年ヴェルディの録音をリリースして新たなレパートリーを開拓したことに続き、今後も更に活躍の場を広げていく。昨シーズンは、メトロポリタン歌劇場で初めてマクベス夫人を歌い、10月11日の公演は「METライブ・ビューイング」で世界中に生中継された。METでは年明けにもチャイコフスキー《イオランタ》の新演出に出演、バレンタインデーにライブ・ビューイングで中継された。今秋もMETでは「トロヴァトーレ」のレオノーラを歌って絶賛、ライブ・ビューイングも行われている。また、コヴェントガーデン王立歌劇場では当たり役の《ボエーム》ミミをジョゼフ・カレヤが歌うロドルフォと共演し、チューリヒ歌劇場とウィーン国立歌劇場では《アンナ・ボレーナ》で再び登場する。コヴェントガーデンでの《ボエーム》の6月10日の公演は英国および世界各地の映画館に中継された。コンサートでは、バルセロナのカタルーニャ音楽堂でヴェルディのほかヴェリズモ・アリアを歌い、ローマ・サンタ・チェチーリア国立管弦楽団とは《マクベス》抜粋を歌う。コロラドのヴィラー・パフォーミングアーツ・センターでもリサイタルが行われ、フランス国立管弦楽団とはR.シュトラウスの「4つの最後の歌」を歌う。また、《イオランタ》をルツェルン、コペンハーゲン、モンテカルロ、ロンドンで歌い、ザルツブルク聖霊降臨祭ガラコンサートにも出演する。

 ソロ・アルバム、オペラ全曲盤、コンサート作品など広範にわたる録音を誇る。ソロの録音はドイツ・グラモフォンから『宝石の歌~ヤング・オペラ・ヒロイン』、『アンナ・ネトレプコ/花から花へ』、『ロシアン・アルバム』、『口づけ~SOUVENIRS』、『夜のしじまに』、『アンナ・ネトレプコ-メトロポリタン歌劇場ライヴ』、『ヒロイン -ヴェルディ・アリア集』などがリリースされ、すべてがベストセラーとなっている。また、『椿姫』、『フィガロの結婚』、『ボエーム』、『カプレーティ家とモンテッキ家』、『ジャンヌ・ダルク』の全曲録音、ブリテン「戦争レクイエム」、ペルゴレージおよびロッシーニの『スターバト・マーテル』もリリースしている。DVDおよびブルーレイディスクには、グリンカ『ルスランとリュドミラ』、プロコフィエフ『修道院での婚約』、『椿姫』、『フィガロの結婚』、『清教徒』、『マノン』、『ランメルモールのルチア』、『ドン・パスクワーレ』、『アンナ・ボレーナ』、『エフゲニー・オネーギン』がある。ほかにも、ロバート・ドーンヘルムが監督したオペラ映画『ボエーム』、DVD『アンナ・ネトレプコ-ザ・ウーマン、ザ・ヴォイス』がリリースされている。テノールのローランド・ヴィラゾンと録音したCD『デュエット』は、クラシックのアルバムのヨーロッパ・デビューとしては記録的なヒットとなり、複数の国でポップ・チャートの1位になった。 これまでに、アルバム『ヴィオレッタ』と『ロシアン・アルバム』でグラミー賞にノミネートされた他、ミュージカル・アメリカ誌のミュージシャン・オブ・ザ・イヤー、ドイツのバンビ賞、英国のクラシカル・ブリット賞の年間最優秀賞および年間最優秀女性アーティスト賞を受賞、ドイツのエコー・クラシック賞は9回受賞している。2005年にはロシア国家賞(芸術及び文学の分野における最高賞)を受賞、2008年にはロシア国民芸術家の称号を得た。

 ネトレプコは、世界中に中継された2014年ソチ・オリンピックの開会式でオリンピック讃歌を歌った。「タイム100」に選ばれた2007年には、ケネディ・センター30周年を記念するCBSの番組で映画監督マーティン・スコセッシと共演、翌年にはBBC「クラシカル・ブリット賞」でアンドレア・ボチェッリと共演した。「ヴォーグ」、「ヴァニティ・フェア」、「タウン&カントリー」など雑誌に取り上げられることも多く、テレビではABC「グッド・モーニング・アメリカ」、NBC「ザ・トゥナイト・ショー」(司会ジェイ・レノ)、CBS「60ミニッツ」、CNN「リヴィールド」、ドイツ「Watten, dass..?」などに出演している。ネトレプコをとりあげたドキュメンタリーは、オーストリア、デンマーク、ドイツ、ロシア、スイスで放映された。

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 1971年、ロシアのクラスノダール生まれ。サンクトペテルブルク音楽院で声楽を学ぶ。児童福祉に熱心で「SOS子供の村」やロシアの児童福祉協会などのチャリティ団体を支援している。宝石のショパールおよびオーストリア航空の世界アンバサダー。2006年、オーストリアとの二重国籍を取得した。

 アゼルバイジャンに生まれ、モスクワのチャイコフスキー音楽院に学んだ後イタリアに留学、テノールのフランコ・コレッリ、ソプラノのゲーナ・ディミトローヴァに師事。これまでに、ヴェルディ《トロヴァトーレ》のマンリーコ、《仮面舞踏会》のリッカルド、《マクベス》のマクダフ、プッチーニ《トスカ》のカヴァラドッシ、《トゥーランドット》のカラフ、《外套》のルイジ、ビゼー《カルメン》のドン・ホセ、ジョルダーノ《アンドレア・シェニエ》のタイトルロールなどを歌っている。

 2014/15年のシーズンには、プラハ国立歌劇場でカラフ、ボイト《メフィストフェレス》のファウスト、次いでヴェローナ・オペラ・フェスティバルに招かれ、テアトロ・フィラルモニコではマスカーニ《カヴァレリア・ルスティカーナ》のトゥリッドゥを歌う。コンサートでは、ミラノ・オーディトリアムでヴェルディ「レクイエム」をヴェルディ交響楽団と共演した。12月には、バルセロナのカタルーニャ音楽堂で、マッシモ・ザネッティの指揮でアンナ・ネトレプコと共に歌う。

 最近では、ヴェルディ交響楽団とトゥリッドゥ、フィエーゾレ歌劇場でヴェルディ《アイーダ》のラダメス、ボリショイ劇場でカヴァラドッシ、ラヴェンナ音楽祭でヴェルディ《オテロ》、ローマ歌劇場ではリッカルド・ムーティ指揮でプッチーニ《マノン・レスコー》のデ・グリューをアンナ・ネトレプコと共に歌い、バーリのペトルッツェッリ劇場ではパオロ・カリニャーニ指揮で《道化師》のカニオを歌う。

 1998年、リッカルド・シャイーからミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団のクラリネット奏者に選ばれ、音楽家としてのキャリアをスタートした。やがてこの楽団で指揮台に立つようになり、2010年に副指揮者、2012年にアソシエイト・コンダクターとなった。

 北イタリアのクレーマ生まれ。ピアチェンツァ音楽院で学んだ後、若いときからいくつものオーケストラでソリストとして演奏するとともに、室内オーケストラ、交響楽団、オペラハウスのオーケストラを指揮するようになった。

 2012年秋、前年に続いてMITO音楽祭に招かれ、ベルリオーズ「荘厳ミサ曲」を指揮した。ヴェルディ響との関係も続いており、シーズン開幕のコンサートのほかにもオペラとオーケストラ双方のプログラム(ブラームス、チャイコフスキー、グリンカ、ムソルグスキー、プロコフィエフ、ラヴェル、レスピーギ、リムスキー=コルサコフ、パガニーニ、ピアソラ、ストラヴィンスキー、ヴィヴァルディ)で、現地ミラノのほかにロシア・ツアー(モスクワのチャイコフスキーホール、サンクトペテルブルクのグリンカ・フィルハーモニーホール)を指揮、五明カレン、ナターシャ・コルサコヴァ、コリヤ・ブラッハー、リリア・ジルベルシュテインらのソリストと共演している。また、びわ湖ホール、サンパウロ市立劇場でオーケストラ・デビューを飾り、パレルモではシチリア交響楽団、フィレンツェではフィレンツェ五月音楽祭管弦楽団を指揮した。

 2013-14年のシーズンには、南イタリアのマルティーナ・フランカで開催される第39回イトリア谷音楽祭やヴェルディ響の定期演奏会に出演。パルマの第23回ヴェルディ音楽祭で《シモン・ボッカネグラ》を指揮した後、パルマ王立劇場に招かれて音楽祭で3回指揮した。

 今シーズンは、ヴェルディ響とのコンサートやヴェルディ「レクイエム」の他、ボローニャ市立劇場管弦楽団のシーズン開幕のコンサート、サンパウロ市立劇場およびフェニーチェ座で「カルミナ・ブラーナ」と《ボエーム》、アンコーナで《愛の妙薬》、ボローニャ市立劇場で《トスカ》、ヴェルディ音楽祭で《運命の力》、ヴェローナ歌劇場管弦楽団では《ボエーム》、《カヴァレリア・ルスティカーナ》および《恋は魔術師》を指揮する。

 オペラについては次のシーズンに、ローマ歌劇場で《アイーダ》、フェニーチェ座で《蝶々夫人》を指揮、サンタフェ歌劇場で《リゴレット》を指揮して北米デビューを飾る。

 今後は、ミラノ・スカラ座でのヴェルディ響のコンサート、ヴェルディ音楽祭での《オテロ》、フランクフルト歌劇場でヴェルディ《オベルト》、トリノ王立劇場で《チェネレントラ》、東京の新国立劇場で《アンドレア・シェニエ》、パレルモで《蝶々夫人》、フランクフルト歌劇場で《イル・トロヴァトーレ》を指揮する予定。

 1911年創立。2011年に日本のオーケストラとして最初の100周年を迎えた、日本で最も長い歴史をもつオーケストラ。メンバーは約140名、シンフォニーオーケストラと劇場オーケストラの両機能を併せもつ。桂冠名誉指揮者はチョン・ミョンフン。2015年4月より、ミハイル・プレトニョフを特別客演指揮者に、アンドレア・バッティストーニを首席客演指揮者に迎えた。

 Bunkamuraオーチャードホール、東京オペラシティ コンサートホール、サントリーホールでの定期演奏会を中心とする自主公演、新国立劇場を中心としたオペラ・バレエ演奏、『ニューイヤー・オペラコンサート』『題名のない音楽会』『東急ジルベスターコンサート』などの放送演奏により全国の音楽ファンに親しまれる存在として、高水準の演奏活動とさまざまな教育的活動を展開している。

 海外公演も積極的に行い、2013年12月に韓国・大邱市の招聘により日本から唯一アジア・オーケストラ・フェスティバルに出演、2014年3月にはアジア・欧米6か国を巡るワールド・ツアーを行い国内外の注目を集めた。1989年からBunkamuraオーチャードホールとフランチャイズ契約を結んでいる。また東京都文京区、千葉県千葉市、長野県軽井沢町、新潟県長岡市と事業提携を結び、各地域との教育的、創造的な文化交流を行っている。

●やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる場合がございますが、出演者、曲目変更などのために払い戻しはいたしませんのであらかじめご了承願います。
●未就学児のご入場はご遠慮いただいております。