NEWSニュース

2011/06/11 | KAJIMOTO音楽日記

●小菅優が語るベートーヴェン ~ハイリゲンシュタットからの再出発~(後半)

今月末、紀尾井ホール&大阪いずみホールにて「ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ 全曲演奏会シリーズ」の第2回目に挑む小菅優。
本日は、小菅が「ハイリゲンシュタットからの再出発」と題し、「テンペスト」ほか中期のソナタ群について述べた文章の後半をご紹介します。




***


第2回によせて~ ハイリゲンシュタットからの再出発(後半)
小菅 優


 第15番を書き上げたベートーヴェンは「今までの作品は満足しきれない。今日からは新しい道を歩みたい」と言っていたそうです。たしかに、Op.31の3つのソナタのリズム、構成、キャラクターを見てみると、「今までとは違うぞ」と言っているかのように、挑戦的なものがあります。
 そして私にとって、とても難しい挑戦となるOp. 101のソナタです。このソナタで最後の「大きな」5つのソナタが始まり、またさらにベートーヴェンの最後の新しい道が始まります。ここからは単に険しい道ではなく、天に向かっているような精神的な道だと思います。このソナタは、ベートーヴェンのソナタの中で、もしかして最も内面的なソナタではないでしょうか。今までとはまったく違ったスタイルで、抒情的に始まり、第1楽章から4楽章まで大きな纏まりがあります。第1楽章の出だしのメロディが第4楽章の前にそのまま出てくるということは今までの作品ではないことです。決断力に溢れる最終楽章は前回弾いた2番のソナタや7番の交響曲を思わせるようなイ長調の華やかさがあります。
 ベートーヴェンのソナタはどれも大作ですが、常に新たなる道を切り開こうとするロマンチックで革命的な面は、彼のすごく大事な一面だと思います。私も皆様と一緒に人生の新しいページをめくり、このような挑戦をさせていただけることをとても楽しみにしています。

※この文章はリサイタル・チラシ裏面にも掲載されています


***


小菅からのビデオ・メッセージも編集中ですので、近日中に皆様にご紹介させていただきます!



【小菅 優 関連記事】
小菅優が語るベートーヴェン ~ハイリゲンシュタットからの再出発~(前半) (2011.6.9)
ベートーヴェンピアノソナタ 全曲演奏会シリーズ第2回に向けて 、小菅優が語る今回の曲目の聞きどころ (2011.6.24)


小菅 優 ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ 全曲演奏会シリーズ <第2回>
大阪公演: 6月28日(火) 19:00開演 いずみホール
東京公演: 6月30日(木) 19:00開演 紀尾井ホール

小菅 優 プロフィール

PAGEUP