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2011/04/02 | KAJIMOTO音楽日記

●ピーター・ゼルキン 発売中

東日本大震災という未曽有の災害の後、皆様も様々に苦難を抱えていることを思い、私共も心からの祈りを捧げたいと思っております。

今日は、4月7日からカジモト・イープラス会員限定先行受付が始まりますピーター・ゼルキン ピアノ・リサイタルの紹介をさせていただきますが、少し先の8月31日の公演とはいえ、こうした時にピーターのような、音楽的天才をもつ現代最高のピアニストという以上に、ヒューマニティにおいてもこれ以上考えられない芸術家のコンサートを日本で開けることに大きな意味を感じています。




ピーター・ゼルキン ピアノ・リサイタル
8月31日(水)7時 東京オペラシティ コンサートホール

カジモト・イープラス会員限定先行受付
4月7日(木)12時 ~ 4月11日(月)18時
(おかげさまで好評のうちに終了いたしました)
一般発売  ●お申し込み
4月17日(日)10時 ~


ピーター・ゼルキン。1947年生まれの彼はご存知の通り、20世紀を代表する偉大なピアニスト、ルドルフ・ゼルキンの息子であり、さらに母方の祖父は20世紀前半のドイツの音楽家の中でも神のような存在であった大ヴァイオリニスト、アドルフ・ブッシュです。

ルドルフ・ゼルキンとアドルフ・ブッシュ・・・。彼らもまた歴史上の幾多の巨匠たちの中にあって、音楽家としての極みもさることながら、自らの欲を厳しく律し、「徳」の高い人間として、音楽の社会への奉仕、後進の教育などの責任にも全身全霊をかけた偉人的存在でした。
こうした血脈の中に生まれたピーターは、若いころから音楽の才能を開花させながらも、この偉大なDNAを受け継ぐ故の反動や自らの存在意義に苦しみ、反抗期のごとくその年代の若者にありがちなヒッピー的な生活をして、音楽から離れた時期もあったようです。また音楽活動も、「普通の」コンサート活動からはみ出し「とがった」現代音楽を仲間と盛んに演奏したり(アンサンブル"タッシ")、色々多感な人生を歩んでいました。

しかし、いつしか迷いは消え、ピーターはいよいよ大ピアニストへの道へと歩を進めます。そして超一流のオーケストラ、指揮者との共演は引きも切らず(特に小澤征爾さんとはずっと仲がいいですね)、レコーディングも多くなったわけですが、ここでまた、ピーターの高潔な性格は「商業主義」の中にある音楽活動を良しとせず、自分が納得する、極めて限定したコンサートにしか出演しなくなります。またインタビューにも滅多に応じなくなり、近年はますます「幻のピアニスト」のような様相を帯びてきました。

しかしピーターのコンサートを聴いた方なら、誰もがそう思ってくれると思うのですが、これほどストイックで、「精神性」という今や死語になってしまった(かもしれない)言葉がこれほど相応しいピアノはなく、それでいてこれほど音楽が豊かな色合いを帯び、人間性にあふれた深遠な演奏もあるまい、と思える演奏をしてくれます。2003年の来日公演でのベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第30番op.109」と「ディアベッリ変奏曲」の祈りの深さに満ちた内省的な演奏は忘れられません。今回の来日でも、この作曲者最晩年の、人生の変容の旅路を音楽にしたような「ディアベッリ変奏曲」が再び演奏されます。

以前、アンドラーシュ・シフが「ピーターとは音楽的個性はだいぶ違うけど、彼とは通じるものがあって一度デュオをやってみたかった」と言っていた、世紀のデュオ・コンサートはCDにもなりましたし(残念ながら現在は廃番)、昨年、親友の故・武満徹80歳記念コンサートで弾いた「リヴァラン」、「アステリズム」の演奏の素晴らしさもさることながら、久しぶりにお会いしたピーターの顔が驚くほどお父さんのルドルフ・ゼルキンに似てきたのが快い驚きでした。

8月31日。ぜひこの偉大なピアニストの演奏とともに、多くのことを皆様と一緒に祈ることができたら、と思っています。


チケットのお申し込みはこちらまで

カジモト・イープラス会員限定先行受付
4月7日(木)12時 ~ 4月11日(月)18時
(おかげさまで好評のうちに終了いたしました)
一般発売  ●お申し込み
4月17日(日)10時 ~


ピーター・ゼルキン プロフィール


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