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こんなときだから…公演プログラム冊子より、はみ出しページを特別蔵出し!(8)── ネルソンス指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管編 こんなときだから…公演プログラム冊子より、はみ出しページを特別蔵出し!(8)── ネルソンス指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管編

今日は、昨年5月に来日したアンドリス・ネルソンス指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のプログラム冊子から。

(ネルソンスは今年、ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートを指揮したり、彼らとベートーヴェンの交響曲全集の録音をリリースしたり、ますます活躍していますね)


B子:ゲヴァントハウス管弦楽団(GHO)って昔、ヘタウマって言われてたんだってね。

A男:えらい言いようだね(汗)。確かに1970~80年代頃、「いぶし銀の響きで伝統の厚みに相応しくいい音楽をやるけど、技術がイマイチ」のようなことを言われていたことがあったらしいが。
僕が初めてこの楽団を聴いた90年代後半には全然そんなことなかったな。

B:その時のカペルマイスターは?

A:ヘルベルト・ブロムシュテット。厳しいトレーニングで細部まで実にきちっとして、がっちりとした音楽が響いていたよ。その後の2002年、今回も演奏されるブルックナーの第5交響曲の巨大にして深遠な演奏は忘れられない!史上最高のブルックナー演奏の一つ、と言ってもいいんじゃないかな?

B:私が初めてGHOを聴いた時はリッカルド・シャイーの時代だったから、それこそヘタウマところかウマウマ。いぶし銀どころか輝かしい金、って感じ。

A:それでもGHOの音の核のような部分、「ほの暗くやわらかい厚み」は変わらないよね。そのあたり、インタビュー・ページでフルートのルートヴィヒさんがコメントしてる。それを入団時から先輩たちにとても厳しく言われたって。今度カペルマイスターになったネルソンスとの録音(ブルックナーの交響曲)を聴くと、そんな響きを活かしているように聴こえて、なんか嬉しい。

B:ネルソンス、今本当にノってるわよね。

A:GHOとボストン響、世界2大オケの兼任って、すごいよな。

B:ところでドイツ音楽の総本山みたいなGHOによるチャイコフスキーやショスタコーヴィチって、彼らのロシア作品の演奏はどうなの?

A:おいおい。いつの時代のナショナリズムだよ。今の時代を生きている名門オケに無粋だな。

B:もちろん、そうは思うけど。。。

A:GHOって、あれだけの歴史があるから、チャイコフスキー自身が客演して自分の交響曲を指揮しているし、今回の第5交響曲はそれだけじゃなく、ニキシュの指揮でGHOがヨーロッパ・ツアーに取り上げていたおかげで広まった側面もあるくらいだよ。マズアの指揮で交響曲全集の録音もある。そしてライプツィヒが東ドイツだった時代のロシア(ソ連)との関係を考えたら、ロシアの指揮者の客演は当然多いし、ショスタコーヴィチの交響曲チクルスをドイツで初めてやったのはGHOだぜ。ロシア音楽だって得意分野なんだよ。

B:そっか、そんな歴史が。思い込みはいけないね。

A:それにネルソンスは、バーミンガム市響の音楽監督をしていたときからチャイコフスキーを十八番にしていたしね。すごく楽しみだよ。

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