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2016/05/13 | KAJIMOTO音楽日記

●華麗なるフィラデルフィア管、来日を前に Vol.7 ―― 音楽監督ネゼ=セガンが語る演奏曲目ハイライト!


4回にわたり、3人の社員の会話で、フィラデルフィア管弦楽団の歴史をひも解いてみましたが、こうしてみると、改めてこのオーケストラの歴史は深く、まさに華麗だな、と。
やはりああした練り上げられた音というものは、当然のことながら一朝一夕でできるものではなく、たくさんの人が長い時間をかけて、思いをひとつにすることで初めて出来るのだ、と感じ入る次第です。

ところで今回は、先日ネゼ=セガンが現地でのインタビューの折に語っていた、主要曲のハイライトについて、いくつか書き出してみようと思います。





ブルックナー: 交響曲第4番「ロマンティック」
実は今回のツアーで個人的に、一番楽しみにしています。フィラデルフィア管というオーケストラをブルックナーと組み合わせることで、よく聴かれるこの作曲家の演奏とは非常に異なるものを聴いていただけると思います。なぜなら、私たちは、フィラデルフィア管のサウンドにある「美」を使うことができるからです。特に今回の「第4」では、「ロマンティック」なフィーリングを得るために、私たちのサウンドが威力を発揮すると思うのです。

ブラームス: 交響曲第2番
ブラームスの交響曲は、全4曲をこの4年間で取り上げてきました。今回は「第2」だけですが、私たちのブラームスの伝統を、私たちが再訪した結果の演奏を、日本の皆様がどのように聴いてくださるか、とても興味があります。オーケストラのサウンドはこのようにとてもリッチですが、同時にとても明晰で、より「ポスト・ベートーヴェン」を感じさせる演奏になっていると思います。

リムスキー=コルサコフ: 「シェエラザード」
私たちは今シーズン、ユージン・オーマンディへのトリビュートとして様々な曲を演奏しましたが、「シェエラザード」はオーマンディが3回、ストコフスキーが2回、ムーティが1回と、合計6回も録音している、フィラデルフィア管が誇りとするレパートリーの1つです。オーマンディといえば、今回演奏するシベリウスの「フィンランディア」とJ.シュトラウスのワルツも彼がよく取り上げた、私たち伝統のレパートリーです

武満徹:「ノスタルジア」 / プロコフィエフ「ヴァイオリン協奏曲第1番」(五嶋龍と共演)
五嶋龍さんとは、私は彼がもっと若かった10年前にモントリオールで、ドヴォルザークやスークの作品で共演したことがあります。その頃から彼はとても音楽に対して献身的でした。

武満徹の作品は、構成が非常にディテールに富んだもので、洗練されていますが、究極的にはラヴェルやドビュッシーのようにポエトリー・・・詩情の音楽だと思います。そうした精緻さに私は日本を感じます。日本の芸術、建築、レストランや店先など様々なものに、細部を大切にする精神を感じますが、武満の音楽にも同じものを感じます。私たち北アメリカ人は、日本に行くと自分たちが随分ラフだと感じることがありますが、日本に行って深呼吸をして落ち着き、時間をかけて周囲を見つめ、一つひとつに小さな美を感じることはとても健康的です。

また、プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番はノクターンのようにメロディが抑制されていて、ある意味とてもフランス的。言ってみれば日本的でもあるのです。


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