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2016/01/07 | ニュース

◆音楽界の巨星ピエール・ブーレーズの訃報に寄せて

20世紀を代表する作曲家であり、指揮者のピエール・ブーレーズ氏が1月5日(火)にバーデンバーデンの自宅で逝去されました。90歳でした。



1925年フランス生まれのブーレーズ氏は、40年代には作曲活動でメシアン門下から頭角を現し、50年代には「ル・マルトー・サン・メートル(主のない槌)」「プリ・スロン・プリ」などの傑作を発表。ドイツのシュトックハウゼンとイタリアのノーノと共に「前衛三羽烏」と呼ばれ、その後も世界最高の作曲家としての名声を不動のものにするとともに、1960年代からは指揮活動も増やしていき、70年にはバイロイト音楽祭100周年で、ワーグナー《ニーベルングの指環》四部作(故・パトリス・シェローの演出)を指揮し、斬新なその上演が物議を醸したりもしました。1971年には、ニューヨーク・フィルとロンドンのBBC交響楽団の首席指揮者となっています。

また1970年代半ばには、当時のポンピドゥー大統領の要請に応え、国家政策としてパリにIRCAM(音響と音楽の探究と調整の研究所)を設立、同時にそこでの作曲研究を実践としてかたちにするため、精鋭ソリストからなる合奏団、アンサンブル・アンテルコンタンポランも創設しました。


弊社は、1995年にブーレーズ氏の70歳記念、そして氏の強い希望―― “21世紀を迎える前に20世紀の音楽を俯瞰、展望したい。そのためには最高の演奏家たちと共に”―― による「ピエール・ブーレーズ・フェスティバルin東京1995」を主催。氏はその13公演中8公演(ロンドン響、シカゴ響、N響、アンサンブル・アンテルコンタンポラン)を指揮し、質・量ともに空前絶後と評された演奏を披露、わが国における“現代音楽受容”にも一石を投じました。
その後も、2002年にロンドン響の(「ポリーニ・プロジェクト2002in東京」にも参加)、2003年にはグスタフ・マーラー・ユーゲント・オーケストラの指揮者として招聘致しました。

2009年には、日本で第25回京都賞(思想・芸術部門)を受賞しています。

このように50年にわたり、日本に素晴らしい音楽を届けてくれ、また常に曇りなき高き知性と強い意志をもって、私たちに音楽とは何か?芸術が人生、社会に与えてくれるものは何か?を問うことを教えてくれたマエストロ、一方では、ルツェルン・フェスティバルのアカデミー等で、若いアーティストを育成することにも惜しみなく力を注いでくれた偉大な音楽家のご冥福を、心からお祈り申し上げます。

感謝とともに。


KAJIMOTO
 

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