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2015/10/28 | KAJIMOTO音楽日記

●ソヒエフ&ベルリン・ドイツ響、来日中!―― ツアー初日公演を聴いて

いよいよトゥガン・ソヒエフが指揮するベルリン・ドイツ交響楽団が来日しました。
2012年にソヒエフが音楽監督に就任して、このコンビでの日本ツアーは初めて。
初日の東京文化会館での公演(主催: 都民劇場)を聴きました。



来日翌日の公演ゆえか、やや響きに荒いところがあったかもしれません。ただ、このコンビの実演を初めて聴きましたが(CDはまだ1枚しか出ていません。映像も少ないのです)、すごく面白いです。 「面白い」・・・そう言うのがやはり一番いいでしょうか。
非常に驚かされたところが多々あり―― この日はベートーヴェン・プロで、「エグモント」序曲、交響曲第7番、第3番「英雄」というプログラムでしたが、この楽章でこのテンポ!?この部分でこういう表情を!?こういう音のバランスで!?と、予想のできない、予断の許さない驚きが続出で、もっともこれらの曲はツアー中に色々な都市で演奏されますから、具体的なことは禁!ネタバレ、といきましょう。(どうぞお楽しみに)

しかしながら、こう書くと、なんだか珍奇で変わった演奏をするのか?と思われそうですが、ちょっとそれは違っていまして、むしろソヒエフからも指揮者からも感じられる音楽への姿勢は、とても正統、真面目なもの。表現が多彩で、引き出しが多いのでしょう、ただそれが思わぬところで思わぬ使われ方をする、と言えば良いでしょうか?
ソヒエフの統率力、ドライヴ力が驚くべきなのか、オーケストラの腕達者な連中の非常なる上手さを賞賛すべきなのか、またはその両方か?
もっともソヒエフには、初日ゆえ?わざとリハーサルと違うことをやっているのでは?というフシも見え隠れしていましたが

そして、このオーケストラの上手さ、という以上に感じ入ったのは――いや驚かされたのは、野太い「ドイツ」まる出し(?)なサウンドです。先に書いたように、実はナマ演奏ではケント・ナガノとインゴ・メッツマッハー以外の指揮でこのオーケストラを聴くのは初めてなのですが、異常?なくらいの低音のぶ厚さ。低弦がブオンブオン、ズンっズンっと、まるで進撃の巨人。トゥッティは聴きての腹の底をズシンと震わす力強さです。
この重厚さは全体に及んでいて、木管楽器も例えばオーボエやファゴットは相当厚いリードを使っているのではないでしょうか?もし私なぞがその楽器を吹かしてもらったら、きっと音が出ないでしょう(笑)

このオーケストラ、確かにこういう音の要素を今までも持っていたとは思いますが、こんなに遠慮会釈なく全開にしてくると、これは同じベルリンでも、ベルリン・フィルやベルリン州立歌劇場管とはまったく別の個性ですね。

そしてこの超・重厚な音なのに表現は多彩で、速い音楽では、まるで重戦車がスポーツカーのように疾走し、コーナリングはピタッときれいにキメるという趣ですから、話は戻りますが、一人ひとりの技量が余程高いのか、ソヒエフのオーケストラ・コントロールの巧みさゆえなのか。



ところで、やはりソヒエフは(音となっての現れ方は違っても)、トゥールーズ・キャピトル国立管やN響を指揮するときと同じく熱いです。そして同じくらい、しっかり冷静に耳を開いて音を追っています。知的というより、もっとフィジカルで人間的な呼吸の中に音楽をやる人だと改めて実感しました。
アンコールでやられたモーツァルト「フィガロの結婚」序曲は、そんな演奏でした。力があり余るオーケストラをうまくシェイプアップして、活き活きとした流れ。オペラの情景が見えるようで、全幕が見たくなるくらいでした。


11/3のサントリーホール公演をはじめとして、日本公演はこれから続きます。
ぜひ楽しみにしていてください!


<ベルリン・ドイツ交響楽団 公演情報>
2015年11月3日(火・祝) 14:00開演 サントリーホール
指揮: トゥガン・ソヒエフ
ピアノ: ユリアンナ・アヴデーエワ

メンデルスゾーン: 序曲「フィンガルの洞窟」 op.26
ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 op.37
ブラームス: 交響曲第1番 ハ短調 op.68

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