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2015/04/10 | ニュース

◆MUSIQUE ✈ VOYAGE マントン音楽祭から素敵なご案内が届きました

先週金曜日に申込受け付け開始となった「南フランスの隠れた音楽祭と味覚を楽しむ旅」で訪れるマントン音楽祭の公演プログラムが発表されました。

マントン音楽祭 公演プログラム
http://www.calameo.com/read/00190572499d66c13737f


7/31(金)
21 :30 サン・ミシェル教会広場
第66回マントン音楽祭オープニングコンサート





カメラ―タ・ザルツブルク
ピンカス・ズーカーマン(ヴァイオリン&指揮)


ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ調
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第5番 イ長調 K.219 「トルコ風」
ハイドン:ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 Hob.VIIa:1
チャイコフスキー:弦楽セレナード ハ長調 op.48

8/1(土)
21:30 サン・ミシェル教会広場
室内楽コンサート



クリスティアン・テツラフ(ヴァイオリン)
ターニャ・テツラフ(チェロ)
ラルス・フォークト(ピアノ)


ブラームス:ピアノ三重奏曲 第1番 ロ短調 op.8
ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲 第3番 へ短調 op.65

8/2(日)
18 :00 ジャン・コクトー美術館

コクトー美術館コンサート



エフゲニー・ズドビン(ピアノ)

ハイドン:ピアノ・ソナタ 第47番 ロ短調 Hob.XVI:32
ショパン:バラード第4番 へ短調 op.52
ドビュッシー:喜びの島
スクリャービン: マズルカ ホ短調 op.25-3
スクリャービン:ピアノ・ソナタ 第9番 op.68 「黒ミサ」
サン=サーンス:死の舞踏(リスト、ホロヴィッツ/ズドビン編)

21 :30 サン・ミシェル教会広場

ヴァイオリン・リサイタル



ジャニーヌ・ヤンセン(ヴァイオリン)
キャサリン・ストット(ピアノ)


ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 op.100
プーランク:ヴァイオリン・ソナタ
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲
クライスラー:ウィーン小行進曲、愛の悲しみ、シンコペーション
ファリャ:オペラ「はかなき人生」から スペイン舞曲 第1番
ファリャ:7つのスペイン民謡
ラヴェル:ツィガーヌ


さらに今回は、マントン音楽祭で長年専属調律師を務める大里和人さんに、マントンの街と音楽祭の魅力についてお話をうかがいました。パリ在住の大里さんは、ヤマハの依頼により毎年この音楽祭で使われるすべてのピアノを最高の状態にするという重要な仕事をされています。

Q:今回ツアーで訪れるマントンという街はどんなところですか?

大里さん:フランス、コートダジュールの一番東に位置するマントンは、北側に山が迫り、目の前には紺碧の地中海が広がる温暖な気候に恵まれた町です。レモンの産地としても知られており、イタリアへは歩いて国境を越えられます。マントンは昔からイギリス人の別荘が多く点在する町で、ガーデニング好きの彼らはこの特別な気候を使って土いじりに精を出すのだそうです。



Q:マントン音楽祭は今年で66回目を迎えるヨーロッパで最も古い音楽祭ですが、日本の皆さまに一番お伝えしたい音楽祭の魅力は何でしょう?

大里さん:私が最初にマントンで仕事をしたのは1983年のことで、長くヨーロッパにいることを実感します。マントンは歴史的、地理的にモナコ公国やイタリアと深い関係にあり、音楽祭たけなわの、ある宵のコンサートには必ずモナコ王族の御臨席があるのです。
レーニエ大公やグレース・ケリーとお会いする機会はなかったですが、結婚前と結婚後のアルベール二世とは毎年お会いしており、演奏会後には握手を交わし、今ではカタコトの日本語で「Genki ?」と声をかけてくれるようになりました。
音楽祭の雰囲気を一言で言えば「極上」!海岸沿いの小高い丘の上にある会場、サンミッシェル教会の前庭(Parvis)に到着すれば、みなさん息を呑むことでしょう。そこからヨットハーバー、月の光できらめく地中海、イタリア国境が一望できます。キャンドルとライトアップされた教会、教会前の特設ステージ。ひとたびこの会場の雰囲気に接すれば「なるほど!」と思われ、「極上」の意味するところがお分かりいただけるかと思います。音楽祭にはフォーマルな服装の人もいればGパン姿の若者も。その誰もが今宵のコンサートを楽しもうと目をキラキラさせて開演を待つのです。

演目は毎年吟味されており、素晴らしいアーティスト達がこのサンミッシェル教会の会場で演奏します。そうそう、1967年の演奏者はアルトゥール・ルービンシュタイン、エミール・ギレリス、スヴャトスラフ・リヒテル、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ、バイロン・ジャニス、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチなど錚々たる顔ぶれだったそうです。 溜息が出ますよね。

メイン会場のサンミッシェル教会広場での演奏会は21時開演。夜の帳が降り、会場周辺の交通を全て止めてから演奏会が始まります。もう一会場、ジャン・コクトー美術館でのコンサートがあります。海辺のこのウルトラ・モダンな美術館でのコンサートはだいたい17時開演で、今が旬でこれからを期待される逸材が演奏しますよ。コクトー美術館の彼の作品群を(日本だったら18禁のものも?!)演奏会の後先に観賞できるのも楽しいですよ。



Q:フリータイムにオススメのマントンでの過ごし方はありますか?

大里さん:早朝、まだ暑くならないうちに海岸を歩くこと。海岸はコロコロの砂利ですが、遊歩道をゆっくり歩けば「これぞ、地中海、コートダジュール!」を素晴らしい空気とともに満喫できます。カジノより東側は変化があって面白いですよ。
サンミッシェル教会は小高い海岸沿いの丘の上ですが、その教会の周りがマントンの旧市街です。坂道が多いですが、見られることをきちんと意識し、整備された町並みは歩くだけでも気持ちが良いですよ。登り詰めた墓地からのマントンのパノラマは一見の価値があります。

モナコのカジノは有名ですが、ここマントンの海岸沿いにも立派なカジノがあります。
マントン音楽祭の創設者が、ある時出演アーティストへの支払いに困って、あり金すべてをこのカジノで一点張りし、どういう訳かそれが大当たり!大金を得て、演奏者への支払いができたおかげでその後音楽祭を続けられたという話が残っています。映画を見ているような良き時代があったのですね。



Q:南仏といえばたくさんの芸術家を魅了したといわれていますが、マントンにゆかりのある芸術家もいますよね?

大里さん:マントンはジャン・コクトーとの繋がりがとても深いです。コクトーは、詩人、小説家、劇作家、画家、映画監督など、さまざまな分野で活躍した芸術家であり、マルセル・プルースト、パブロ・ピカソ、ココ・シャネルなど多くの著名人らとも交流があったとか。マントン市役所には彼が内装を手がけた「結婚の間」という作品があります。雰囲気がなんとも素晴らしいですよ。詳しい装飾の説明を聞くと、日本とヨーロッパの結婚観は違うのだな、と思ってしまいます。外国からのカップルで、ここで一番多く結婚式を挙げるのは、実は日本のカップルだそうです。

【番外編】
Q:マントン郊外にもおすすめスポットはありますか?

大里さん:マントン郊外でご紹介したいところが二つあります。
一つは、サンタニュス村。マントンの北の岩山をほぼ上り詰めた、標高800mのところにある村。フランスで最も美しい村の認定を受けている村で、見晴らしがとにかく素晴らしい。村自体はそぞろ歩きに最適です。
何も変わったところのない平和な村に見えますが、村には裏山を切削して作られたサンタニュス要塞(対独防衛線 マジノ線)の跡が残っています。
村の人口がその当時は800人だったのですが、要塞に駐留していた兵隊はなんと1500人だったそうです。要塞は見学が可能で、岩山を切削して、よくこのような巨大な要塞を作ったものだと思います。戦争史話がお好きな方にはお勧めです。

もう一つはマントンの西隣の町、カップマルタンの海岸の木立に隠れるように建てられた木製の直方体のバンガロー(キャバノン)。中の広さは8畳ほどで、木製家具やシャワー室が備わっています。これは現代建築の3大巨匠の一人、あのル・コルビュジエが夫人のために建てた休暇小屋なのです。晩年、夫妻で多くの時間をこのバンガローで過ごしたそうです。コンクリート建築の先駆けであったル・コルビュジエの作品の中でも特に異彩を放つ建造物で、多くの著名な日本人建築家がここを訪れ、思いを新たにするそうです。建築好きには堪らないモニュメントです。



また、マントンに来たからにはちょっとイタリアに足をのばしてみてはいかがでしょうか?

マントンから車で30分以内のイタリアでいくつか僕の行きつけのレストランがあります。イタリア料理はお値段がとてもリーズナブル。

まずお勧めは「ドルチェアクア(Dolce Aqua)」で日本語だと「甘い水」の意味という村。マントンからは車で約30分。

ローマ時代からある太鼓橋を渡って、お城(廃墟)に向かって登っていきましょう。そこはもう別次元、別世界の雰囲気のある空間が広がります。マントンの旧市街の原型がここにあります。マントンより生活に密着している建物群です。
太鼓橋はモネが絵に残していることでも有名です。

さて、ここでのレストランは川のこちら側にテラスを広げている「Ristorante IL Borgo」です。最高のピザが食べられます。前菜にはカラマリフリット(イカのリング揚げ)がお勧めでイカの香りが素晴らしく高いです。スパゲッティ ア ラ ボンゴレをはじめ、パスタ類もおいしいです。飲み物はヴィノ ビヤンコ フリザンテで決まりです。アルコール分の低い、よく冷やされた軽い発泡の白ワインです。デザートは別腹であればティラミスはいかがでしょう。その日のお勧め料理も黒板に書かれているもので説明してくれます。昼も夜もこの時期は満席になります。ただし、予約は必須です。

旧市街の散策を、食事の前か後かはおまかせいたします。

次なるレストランは「Ristorante Veccia Napoli」。マントンの隣町であるVentimiliglia(ヴェンチミリア)にあります。マントンからは車で約20分。
ここは家族経営の街の食堂といった風情があります。ピザ、パスタ、一品料理(肉、魚)・・・どれを頼まれてもその美味しさを保証いたしますよ。

これらのレストランで出てくる料理は凝ったものではなく、普段通りに手早く作っているものなのですが、なんでこんなに美味しいのか、いつまでたっても不思議です。

ちょっと国境を越えて、イタリアで素晴らしく美味しいお昼ごはん(当たり前ですが、本場のイタ飯)をいただき、イタリアの町を少し散策する。
そう、国境をフランスからイタリアに越えたとたんに、言葉、道路の標示、風景、街の様子が変わりますよ。フランス側は、ちょっと気取った感じ、イタリアに入ると生活密着型風景になるのです。

日中は、美味しいものを食べて、五感をくすぐる芸術作品や建築物を楽しみ、そして夜は、極上のマントン音楽祭で音楽に浸っていただく・・・。
これが、僕のお勧めのマントン音楽祭の楽しみ方です。世界中から聴衆が集まりますが、日本からのお客様がマントンにいらしていただくことは僕にとって本当に嬉しいことです。

暑い西日が去り、夜の帳が降りてきたマントン・・・さあ、マントン音楽祭の開演です。



皆さま、今年の夏休みは五感で味わう南フランスで、至福の10日間を過ごしませんか?


写真クレジット
アーティスト写真:Festival De Musique De Menton
その他:Office de Tourisme de Menton



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