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2014/06/17 | KAJIMOTO音楽日記

●小菅優のベートーヴェン・ソナタ全曲演奏シリーズ佳境へ!――新譜批評




小菅優が現在行っているベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会シリーズも、今週20日(金)の紀尾井ホール公演で早7回目。
今度はついに難関の高峰「ハンマークラヴィア・ソナタ」を取り上げ、そして、いよいよ(!)あと1回で完結です。

その公演前に、先日リリースされたばかり、小菅が同時に進めているベートーヴェン・ソナタ全集のCD新譜の批評をご紹介させていただきます。今回は第3弾、タイトルは「自然」です。
(ソナタ第15番「田園」、第21番「ワルトシュタイン」、第26番「告別」、第19、20、4番)


「音楽の友」6月号 (伊熊よし子)
 小菅優は演奏を聴くたびに確かな成長と進化に驚かされる。
(中略)小菅の演奏は力強く勢いに満ち、思慮深く内省的でもある。ベートーヴェンを得意とした故ケマリング教授から伝授された作品の神髄に迫るべく、音に生命を吹き込む。ドイツの自然に抱かれているような思い・・・・。


「音楽現代」6月号 (倉林靖)
 筆者は小菅のベートーヴェンを聴くのは、これが初めてだが、大変に驚かされた。いま現在ベートーヴェンのピアノ・ソナタで最高峰にあるのはA.シフのECMのディスクだと思うが、それらに比べても、小菅の演奏は完成度において何の遜色もない、といえるだろう。テンポや楽曲全体の把握、細部の強弱やニュアンスについて、すべてが厳密に掘り下げられており、まさにあるべき形で演奏されているので、凡百の演奏を聴くときの欲求不満がきれいに解消される、ともいうべきか。全てが極めて的確な、しっかりとした歩みとして捉えられ、確固とした構築性、劇的な推進力、夢見る表情、みなが見事に表現し尽されている。

「レコード芸術」5月号 (寺西肇)
 ・・・小菅優の取り組みは、まさしく真の音楽家のそれだ。ベートーヴェンがたとえ同じソナタの中で、同じ「クレッシェンド」の指示をしていたとしても、決して同じように弾きはしない。その場にふさわしいアーティキュレーションの在り方を、繊細な感性と音楽的な嗅覚で精査していく。しかも、それらがつねに自然な音楽の流れの中にあって、聴き手に作為をまったく感じさせることがない。ちょうど、高い所から低い所へと流れ落ちてゆく水のように。・・・

「レコード芸術」6月号 (濱田滋郎)
 一昨年のことになるのか、「出発」と名付けられた小菅優のベートーヴェン・ピアノ・ソナタ第1巻が発表されたとき、一聴してそのピアニズムのあまりの見事さ、完璧さに、すっかり感服したことを忘れない。昨年出た第2巻は「愛」と題され、そこでも再び小菅優が示す、他には類を見ないほど精緻なピアニズムと、そのかたわら、生き生きと躍動する生命感の炎に、深く打たれるものをおぼえた。
(中略) 聴き入っていると、まさしくベートーヴェンの「心」から生まれ出る果実にほかならないソナタそれぞれの性格が、手に取るような鮮やかさで見えてくるではないか。《ワルトシュタイン》に込められたものは、おそらく宇宙の神秘であり、掛替えない夜明けへの感動でもあろう。
(中略) これはかつて聴いた最上の《ワルトシュタイン》では?という気がする。


「レコード芸術」6月号 (那須田務)
 ・・・ピアノの音は大変に美しいが、それ以上に音楽そのものの面白さで聴かせ、片時も聴き手の注意をそらさない。楽譜から陰影とニュアンスに富んだドラマを読み取り、豊かな表情に満ちたドラマに還元していく、そのファンタジーと卓越した技術は本当に素晴らしい。さらに音の意味と機能をよく理解していて、印象深く聴かせる術に長けているのだ・・・



小菅優のベートーヴェン・ソナタ全曲シリーズ第7回、
どうぞお楽しみに!


■6月20日 (金) 19:00 開演 紀尾井ホール
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