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指揮 コンスタンティン・トリンクスConstantin Trinks

PROFILE


 ドイツのカールスルーエ生まれ。同地の音楽院で指揮法をヴォルフ=ディーター・ハウシルトに、ピアノをギュンター・ラインホルトに師事した。トーマス・ヘンゲルブロックとクリスティアン・ティーレマンからとりわけ大きな音楽的影響を受け、歴史的な情報にもとづく古楽奏法(HIP)への見識と、力強くロマンティックな音楽作りを特徴とする。

 早くに才能を開花させ、2002年にザールブリュッケンのザールラント州立劇場に着任。数年後には2006年から2009年まで、同劇場の暫定音楽監督の任にあった。ドイツのカペルマイスターの伝統に深く身を浸し、トリンクスは真の意味で音楽家であり続けながら、開かれた心で幅広いレパートリーに向き合っている。ザールブリュッケンで定着させたオペラ作品として、ノーノの《不寛容1960》《ラ・ボエーム》《ドン・ジョヴァンニ》《魔笛》《ラインの黄金》《ローエングリン》《サロメ》《カルメン》《ドン・カルロ》《椿姫》《カヴァレリア・ルスティカーナ》《道化師》、サッリネンの《クレルヴォ》、タン・ドゥンの《始皇帝》(ヨーロッパ初演)が挙げられる。

 2009年、ダルムシュタット州立劇場の音楽監督に就任。初めて取り組んだ《ニーベルングの指環》は世界中の批評家たちから高い評価を得た。その後、《ニュルンベルクのマイスタージンガー》《パルジファル》《フィデリオ》《アイーダ》を取り上げ、オルフの初期作品《犠牲》(のちにDVDをリリース)の世界初演を、同じくオルフの《時の終わりの劇》の上演とあわせて行った。ドレスデンのゼンパーオーパーでは、《ばらの騎士》の初演100周年を記念し、この作品を初めて指揮した。さらに同時期、ルネ・フレミングとの共演で、バイエルン州立歌劇場でも《ばらの騎士》の上演を成功させ、世界の注目を集めた。

 これまで、ドレスデンのゼンパーオーパー、ミュンヘンのバイエルン州立歌劇場、アン・デア・ウィーン劇場、ウィーン国立歌劇場、ハンブルク州立歌劇場、パリ国立オペラ座、東京の新国立劇場、フランクフルト歌劇場、チューリヒ歌劇場をはじめ、多数の一流オペラ・ハウスに定期的に客演。トリンクスはさらに、チェコの作曲家ヤロミール・ワインベルガーのオペラ《バグパイプ吹きシュヴァンダ》を発掘し、2012年3月にドレスデンのゼンパーオーパーで同作の上演を実現させている(Profil レーベルのEdition Hänssler よりCDもリリース。)

 ワーグナー作品で卓越した手腕を発揮することで知られ、ワーグナーの生誕200年を祝い、2013年に《さまよえるオランダ人》を同作の初演地ドレスデンで振った。このほか同年には、《タンホイザー》を東京、ストラスブール、ベルリン・ドイツ・オペラ、フランクフルトで、ワーグナーの最初のオペラ《恋愛禁制》をバイロイト音楽祭で、それぞれ指揮した。トリンクスは若手ではあるが、《トリスタンとイゾルデ》(2015年2月、ソフィア)をはじめ、ワーグナーのすべての舞台作品の上演を指揮したことのある稀な指揮者のひとりである。

 2015/2016年シーズンには、バイエルン州立歌劇場より再び招かれ、《コジ・ファン・トゥッテ》と《アラベッラ》の指揮を任された。ストラスブールのラン国立オペラ座では《恋愛禁制》を上演。チューリヒ歌劇場からも再び招かれて《ねじの回転》を取り上げ、ウィーンでのシーズン開幕公演ではマルシュナーの《ハンス・ハイリング》を指揮した。

 コンサート指揮者としても定評があり、これまでhr交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、ソウル市立交響楽団、ボルドー国立管弦楽団、ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン放送交響楽団、ミュンヘン放送管弦楽団などを指揮。今秋にバイエルン放送交響楽団にデビューしたのち、バルセロナ交響楽団、マレーシア・フィルハーモニー管弦楽団、香港フィルハーモニー管弦楽団にも客演する。昨夏のデビュー公演が大成功を収めたミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団とは、12月に再び共演し、ベートーヴェンの交響曲第9番を演奏する。

 録音では先の『ワインベルガー:バグパイプ吹きシュヴァンダ』(シュターツカペレ・ドレスデン)が好評を得ているほか、マーラーの作曲手法を先取りした知られざる作曲家ハンス・ロットの交響曲をザルツブルクでライブ・レコーディングし、数多くの賞に輝いた。
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