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ヴァイオリン


ルノー・カプソン (ヴァイオリン)
ヴァイオリン
ルノー・カプソン
Renaud Capuçon, Violin
Photo © Virgin Classics
みずみずしい感性が光る今もっとも注目されるフランスの新鋭



 クライスラーが愛用した1721年製ストラディヴァリウスと一体化した伸びやかな音色、ステージの上でも外でもつねに変わらない人懐っこさと誠実な人柄そのままに、みずみずしい感性で颯爽と弾き進めるルノー・カプソンの音楽は、聴衆を晴れ晴れとした気分にさせてくれる。音楽の全体像をしっかりと把握しつつ、独自のしなやかな音楽性を発揮するその極めて高い能力は、グスタフ・マーラー・ユーゲント・オーケストラでコンサートマスターを務めた貴重な経験によって培われたものだ。
 2005年フランス・カンヌ音楽賞ソリスト・オブ・ザ・イヤーを受賞し、世界を舞台に活躍の場を拡げる、まさに今もっとも注目されるヴァイオリニストの来日である。
 CD=ドイツ・グラモフォン/ユニバーサル ミュージック、ヴァージン・クラシックス/東芝EMI


●プロフィール


 1976年生まれ。パリ高等音楽院でジェラール・プーレ、ヴェダ・レイノルズに師事、1等賞で卒業。さらにトーマス・ブランディス、アイザック・スターンの薫陶を受ける。「2000年の新しい才能」と賞され、シャルル・デュトワ、ダニエル・ハーディング、ベルナルト・ハイティンクらの指揮のもと、ベルリン・フィル、パリ管、バーミンガム市響などと次々共演。室内楽にも熱意を注ぎ、アルゲリッチ、バレンボイム、バシュメットらと共演。ベルリン、ヴェルビエ、エクサン=プロヴァンス、ストラスブールなどの音楽祭から招かれている。レコーディングはシューベルトやシューマンの室内楽をピリス、デュメイらと(DGG)、サン=サーンス、ミヨー、ラヴェルの作品やメンデルスゾーン、シューマンの協奏曲をハーディング指揮で(ヴァージン・クラシックス)リリースしている。


●コンサート評から

 カプソンは甘美な音色の持ち主だが、表現にはシャープなキレがあり、響きも豊かで芯がある。また、叙情のスッキリした甘さも魅力的。細やかな情感表現と高度な技巧性。ヴィルトゥオジティの醍醐味を鮮やかに聴かせながら、そこには常に豊かなニュアンスと表情があるから、決してこれみよがしの曲弾きにならない。技巧が一人歩きしない高い音楽性とセンスがあるからだ。現代感覚に溢れたカプソンの演奏を聴いていると、今世紀はこういう人がジャンルを越えて活躍するのだろうと痛感。(1月22日 トッパンホール)

諏訪 節生 (音楽現代 2005年4月号)


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