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ピアノ


イングリット・ヘブラー (ピアノ)
ピアノ
イングリット・ヘブラー
Ingrid Haebler, Piano
モーツァルト・イヤーに聴く”モーツァルト弾き“ヘブラーの至芸


 「現代屈指のモーツァルト弾き」と謳われ、1950年代から半世紀にわたって第一線で演奏し続け、ピアノひとすじに道を究めたヘブラー。
 モーツァルト生誕250年を迎える2006年、“モーツァルトの至純”に到達したヘブラーの澄みわたった世界に改めて耳を傾けたい。ハイドン、シューベルトなどでも、その深く彫琢され、慈しみに満ちた演奏は他に比べるものがない。
 CD=DENON/コロムビアミュージックエンタテインメント、フィリップス/ユニバーサル ミュージック


●プロフィール


 ウィーンに生まれ、母からピアノの手ほどきを受けた。ザルツブルク・モーツァルテウム、ウィーン・アカデミーを経て、ジュネーヴでニキタ・マガロフに、またパリでマルグリット・ロンに師事。1954年ミュンヘン国際コンクールとジュネーヴ国際シューベルト・コンクールで第1位受賞。以来、特にハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトなど古典派の作品における当代きっての名演奏家として第一線で活躍を続けている。1980年ザルツブルクの国際モーツァルト財団よりモーツァルト・メダル、1986年ウィーン市功労金メダルなど数々受賞。1991年には『モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集』の再録音(DENON)が完結。


●コンサート評から


 60年代を中心に、慎ましく控え目な表現によるモーツァルト弾きとして一定の評価を得ていたヘブラー。それから40年経ったいま、その健在ぶりを嬉しく思う。(中略)
 以前と変わらず、やはりヘブラーは「私が私が」という音楽をしない。それが物足りないと言ってしまえば、それはそうかもしれぬ。突出した技巧の持ち主でもない。しかし、恣意的な情に扇動されて興の赴くまま弾き飛ばしたり、芸だの語り口だのという美名のもとにフォルムを歪めたりということを、誠に厳しく戒めている人でもある。だから音楽は気負いも衒いもなく、実にピュアである。またピアノを演奏する場合の基本的な技術的ポイントも、骨の髄まで徹底的に叩き込まれている。そうした意味でのしたたかさと頑固さを、改めて称賛したい。(11月21日 紀尾井ホール)

石原 立教 (音楽現代 2004年2月号)


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