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オーボエ


フランソワ・ルルー (オーボエ)
オーボエ
フランソワ・ルルー
François Leleux, Oboe
オーボエの限界を超えた男


 今や世界最高のオーボエ奏者と言っても過言ではないフランソワ・ルルー。彼の演奏は最初の一音でたちまちその場を魅了し、今まで聴いたことのないオーボエの世界へと導いてくれる。時にはソプラノのように華麗に歌い上げ、時にはバリトンのように勇ましい音楽を奏で、その音楽の幅は広い。
 名門バイエルン放送交響楽団の首席奏者として同団の名演を支える一方で、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団などの世界を代表するオーケストラとソリストとして共演、ヴィクトリア・ムローヴァやエマニュエル・パユらの優れた演奏家との室内楽など、意欲的に活動を展開している。リサイタルでも、バロック〜ロマン派〜現代音楽までの幅広いプログラムで、聴衆を堪能させてくれる。
 CD=フィリップス/ユニバーサル ミュージック、RCAレッドシール/BMGファンハウス、ハルモニア・ムンディ、フォンテック


●プロフィール


フランスのクロワ生まれ。6歳よりピエロン教授(ルーベ音楽院)のもとでオーボエを始める。14歳でパリ音楽院に入学し、ピエール・ピエルロとモーリス・ブルグに師事。その後、オーボエと室内楽の部門で、全会一致の1等賞を得て卒業した。
クラウディオ・アバド率いるECユース・オーケストラやフランス国立オペラで経験を積んだ後、わずか18歳でパリ・オペラ座管弦楽団首席オーボエ奏者に就任。21歳でロリン・マゼール指揮のバイエルン放送交響楽団よりソロ・オーボエ奏者(〜2004年)として迎えられ、その後ヨーロッパ室内管弦楽団のソロ・オーボエ奏者となる。
世界的なコンクールにおいて華々しい受賞歴を残している。トゥーロン国際コンクールとミュンヘン国際コンクールで優勝。トリエステ国際コンクールで特別賞を受賞。その他、マンチェスター、プラハなどの国際コンクールで数々の賞を受ける。ヨーロッパ・ユベントス賞を受賞。
ヨーロッパ、アジア、アメリカなど世界各国で、ソリストとして活躍している。共演したオーケストラには、ベルリン・ドイツ交響楽団、フランス国立管弦楽団、ハレ管弦楽団、東京フィルハーモニー交響楽団など、指揮者ではピエール・ブーレーズ、マリス・ヤンソンス、ロリン・マゼール、サー・コリン・デイヴィス、アラン・ギルバート、ウォルフガング・サヴァリッシュ、チョン・ミュンフンなどが挙げられる。
室内楽にも積極的に取り組んでおり、ピアノのイェフィム・ブロンフマン、ヴァイオリンのヴィクトリア・ムローヴァ、チェロのスティーブン・イッサーリス、フルートのエマニュエル・パユなど、共演者の顔ぶれも多彩である。また、パリ市室内楽国際コンクールで優勝を飾ったパリ・バスティーユ八重奏団や、エマニュエル・パユもメンバーの一人である木管五重奏団レ・ヴァン・フランセの一員として、世界中で定期的に室内楽のコンサートも重ねている。
2002年よりノイブルグに本拠地を置くアンサンブル・デル・アルテの音楽監督兼指揮者を務めている。ミュンヘン音楽大学教授。
CDにはムローヴァとのバッハの二重協奏曲(フィリップス)、レ・ヴァン・フランセとのプーランク(BMG)、プーランクとブリテンの作品集(ハルモニア・ムンディ)、パリ・バスティーユ八重奏団とのモーツァルトとベートーヴェン(ハルモニア・ムンディ)、テレマン幻想曲(シリウス)など多彩で、いずれもトップ・テン、フォノフォルム賞、ディアパゾン金賞、クラシカ賞などに輝いている。


●コンサート評から


 彼の並外れた演奏技術と、非常にセンシブルな優れた音楽性は、再三の来日で既に強く印象づけられているが、今回もまたその妙技に酔わされた。繊細華麗できらめくような美音はフレンチ・オーボエ独特の魅力であり、楽句の端々から、また見事なカデンツァから、モーツァルトのロココ的な愉悦感がこぼれ出た。(7月16日 サントリーホール)

結城 亨 (音楽の友 2003年9月号)


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