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鍵盤楽器

ピアノ


ファジル・サイ (ピアノ)
ピアノ
ファジル・サイ
Fazil Say, Piano
Photo © Laure Vasconi
驚くべき才能
個性的な演奏からあふれ出る みずみずしい生命感



 「飛びぬけて個性的な音楽作りがもたらす音楽的な感激は比類ない」(仏レペルトワル)。ピアノを弾く姿もユニークなら音楽も極めて個性的。だが、決して奇を衒ってはいない。ファジル・サイのピアノは何よりも生命感の横溢、音楽が今そこに新しく生れてくるかのような新鮮さに満ちている。バッハやモーツァルトとともに『ストラヴィンスキー:春の祭典』のCDをリリースし、その鬼才ぶりを世に知らしめたが、2002年につづく2004年の来日公演でも聴衆を感動と熱狂の渦に巻き込んだ。ザルツブルク音楽祭をはじめとする世界の音楽祭からも引く手あまたのファジル・サイは、今もっとも世界の目と耳を釘付けにしているピアニストの一人である。
 CD=ワーナーミュージック、ナイーヴ/エイベックス


●プロフィール


 1970年トルコのアンカラ生まれ。アンカラ音楽院でピアノと作曲を学び、17歳でデュッセルドルフ・ロベルト・シューマン音楽大学に留学。1992年から95年までベルリン・アカデミーで教える。1995年ニューヨークのヤング・コンサート・アーティスト国際オーディション第1位。同年ベラカーサ財団賞を受賞し、フランスでのリサイタル・デビューを飾る。新鮮で個性豊かな演奏が衝撃を呼び、CDも『春の祭典』『プレイズ・モーツァルト』などが大ヒットしてブレイク。世界各地で活発な活動を展開している。 作曲家でもあり、ピアノ協奏曲《シルク・ロード》《モーツァルトのトルコ風ロンドによる変奏曲》をはじめ、多くの作品を書いている。


コンサート評から


 今回プログラムの最初に弾かれたハイドンのソナタ3曲は次元が違った。鬼才とか才人とかの言葉は似合わない。まさに天才の至芸であった。過去、現在のいかなるピアニストといえども、ハイドンをこれ以上の“音のファンタジー”に仕上げることは絶対に不可能であろう。まさに異次元の世界。サイのみに許され、彼によって再創造された魔術的な万華鏡だったからである。
 ハ長調の曲は『ソナチネ・アルバム』にも含まれたポピュラーな曲で、初心者なら誰でも弾く。かつてリリー・クラウスが得意とし、古典の規範をきっちりと守りつつ、刺としたリズムと強弱によって最もチャーミングに弾き上げたのを思い出すが、サイのはもはやクラシックではない。色合いは無限に変化し、タッチはとても現実の楽器が出すものとは信じられないくらいカラフルにしてデリケート、強弱は楽譜の指定とはまったく異なる。突然のアクセントや、突然の煌きや、刻々と変化してやまないスタッカートの弾き方に息もつけない。目はくらみ、胸はドキドキし、ピアノを使った魔法と言うほかはない。デビュー当時のハイドシェックを思い出したが、サイのほうが洗練されているぶん上。もちろんクラウスも太刀打ちできない。こんな若さでこんなハイドンを弾いてしまって、天才は進歩しないの見本のようなものだ。 (4月26日 紀尾井ホール)

宇野 功芳 (レコード芸術 2004年9月号)


LINKS
 ・ 公式ホームページ http://www.fazilsay.net/
 ・ avex-CLASSICS http://www.avexnet.or.jp/classics/
 ・ ショット・ミュージック株式会社 http://www.schottjapan.com/

NEWS
 ・ ファジル・サイ作曲、映画『オオカミくんはピアニスト』のワールドプレミア決定! (2007.9.26)
 ・ ファジル・サイが音楽を手がけた映画、「短編映画のカンヌ映画祭」に選出される! (2008.1.11)

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