ヴァイオリン
潮田益子
ジェームズ・エーネス
レオニダス・カヴァコス
加藤知子
ルノー・カプソン
川崎雅夫
久保田巧
V. グルーズマン
P. コパチンスカヤ
佐藤俊介
ギル・シャハム
諏訪内晶子
竹澤恭子
F. P. ツィンマーマン
クリスティアン・テツラフ
A. デュメイ
徳永二男
戸田弥生
原田幸一郎
ダニエル・ホープ
堀正文
堀米ゆず子
A. アキコ・マイヤース
前橋汀子
南紫音
山田晃子
ワディム・レーピン
渡辺玲子
ヴァイオリン
クリスティアン・テツラフ
Christian Tezlaff, Violin
磨きぬかれた知的なアプローチ、深い情熱と完璧な技巧
現代を代表する名ヴァイオリニストの一人
虚飾を排し、繊細な感性と考え抜かれた知的なアプローチで作品の核心を掴むテツラフ。早くから「21世紀を担う大器」と謳われた優れた現代感覚と大きな風格を備えた演奏で、今や世界の音楽シーンの最前線に欠かすことのできない存在であり、リサイタルはもちろん、現代のトップ・アーティストたちとの協奏曲や室内楽でも、常に完成度の高い音楽を聴かせて絶賛を集めている。
今回はNHK交響楽団との協奏曲のほか、ピアニスト、ラルス・フォークトとのデュオ・リサイタルを予定している。フォークトとは長年共演を重ねて厚い信頼で結ばれているだけに、互いの真価を存分に発揮する名演が大いに期待される。
CD=EMIクラシックス、ヴァージン・クラシックス
●プロフィール
ニューヨーク・タイムズ紙は、クリスティアン・テツラフを『新しい世代の中で、最も才能と魅力に溢れたアーティストの一人である』と評した。地元ヨーロッパでも、古典派/ロマン派の作品と同様に、ベートーヴェン、ブラームス、チャイコフスキーとならんで、ベルク、リゲティ、シェーンベルク、ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲の解釈でも定評を得ている。テツラフのもうひとつの重要な面として、バッハの無伴奏ソナタとパルティータの比類のない演奏が挙げられる。彼は自らの弦楽四重奏団を結成しているほか、レイフ・オヴェ・アンスネスおよびラルス・フォークトとデュオ・リサイタルも行っている。
2005年、彼はルツェルン音楽祭でのアーティスト・エトワールとしての演奏会でシーズンの幕を明け、続いてBBSプロムス、エディンバラ音楽祭、ヘルシンキ音楽祭に出演した。
さらに今シーズンは、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲の全曲演奏をドイツ・カンマーフィルハーモニーとの共演でヨーロッパの各主要都市で行うほか。ヘルベルト・ブロムシュテット指揮のNHK交響楽団、アントニオ・パッパーノ指揮のローマ・サンタチェチーリア管弦楽団、さらにデトロイト響、トロント響とも共演する。米国でもヨーゼフ・ヨアヒム作曲による珍しいヴァイオリン協奏曲を紹介するべく、ハンス・グラーフ指揮のヒューストン交響楽団およびウォルフガング・サヴァリッシュ指揮のフィラデルフィア管と共演する。
ドイツ国内では、クリスティアン・テツラフはベルリン・フィル、ミュンヘン・フィル、ミュンヘン放響、シュトゥットガルト放響、フランクフルト放響などと共演している。
テツラフはヴァージン・クラシックスとEMIに数多く録音を行っている。代表的なものに、ドイツ・カンマーフィルハーモニーとの『ドヴォルジャーク/ラロ: ヴァイオリン協奏曲集』および『モーツァルト: ヴァイオリン協奏曲全集』、そして、「バッハの新しいスタンダードを生み出した」(フォノ・フォーラム)と激賞された『バッハ: 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲』がある。最近のリリースは、ヴァージン・クラシックスからのレイフ・オヴェ・アンスネスとのデュオ『バルトーク:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ』のほか、『バルトーク:無伴奏ソナタ』がある。昨年リリースしたトーマス・ダウスガード指揮デンマーク放響との『シベリウス:ヴァイオリンと管弦楽のための全曲集』は、ディアパソン金賞を受賞した。また、ラルス・フォークトと録音したブラームスのヴァイオリン・ソナタ集はエコー・クラシックス賞を受賞している。
2005年秋、チューリヒのトーンハレ管と行ったベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲がリリースされた。これに引き続いて2006年春には、バッハの『無伴奏ソナタ&パルティータ全曲』の新録音がリリースされる予定である。
1966年ハンブルク生まれのクリスティアン・テツラフは、リューベック音楽院でウーヴェ=マルティン・ハイベルクに、シンシナティ音楽院でウォルター・レヴァインに師事した。彼は現在フランクフルト近郊に在住している。
ドイツのヴァイオリン製作者、ペーター・グライナーの手になる楽器を使用している。
●コンサート評から
バッハに精通したテツラフ、バッハ・マラソンで頂点を極める
テツラフのリサイタルでは多くの盛り上がりがあったが、パルティータ第2番ニ短調の演奏もその一つ。彼はパルティータを構成する舞曲楽章の本質と論理を理解し、最後に弾かれるシャコンヌに運命的な必然性を与えるためには、この作品の流れをどのように運ぶべきか熟知しているようであった。技術的には、和声を奏でつつもテンポやダイナミックスを巧みにコントロールし、卓越した技術をもっていることがわかる。
(シカゴ・トリビューン 2003年7月8日)
巨人の精霊
テツラフはシベリウスのヴァイオリン協奏曲を心を奪うほどに熱意を込め、全弓を使った完璧なテクニックと巨匠の沈着さ(これを欠いたら、この独創的でセンセーショナルな作品は台無しになってしまう)をもって演奏している。彼自身が高い評価を受けているその洗練されたエレガントな音に、自らを束縛しようとしない。(中略)
シェーンベルクを弾いても、シベリウスを弾いても、テツラフはドイツの天上に輝くヴァイオリンの星である。いや、ドイツだけではない。あまりにも自然で、あまりにも明快に知性的で、あまりにも神がかり的要素を感じさせない彼を、人はそのままに受け入れるしかない。
(ツァイト 2003年2月6日)